妊娠中の子宮腟部びらんと出血!切迫流産との見分け方と注意点を徹底追跡
産婦人科の内診で用いられる膣鏡診(クスコ診)や拡大観察機器であるコルポスコピー検査で子宮頸部を撮影した臨床写真を見ると、子宮の入り口(外子宮口)の周囲が鮮やかな赤色を呈し、まるで皮膚が擦りむけて爛れているように観察されます。この外見から「びらん(糜爛=ただれ)」という名称が付けられていますが、その実態は「仮性びらん」と呼ばれる正常な組織変化です。
本来、子宮頸部の外側は摩擦に強い丈夫な重層扁平上皮(白っぽいピンク色)で覆われています。一方、子宮頸管の内側は分泌物を出す単層の円柱上皮で覆われています。円柱上皮は非常に薄く、その直下を通る豊富な毛細血管が透けて見えるため、赤く肉芽のように見えます。女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が活発な成熟期女性では、内側の円柱上皮が外側へとせり出すように広がります。これが「びらん」の正体であり、決して粘膜が剥がれ落ちて傷ついているわけではありません。
この円柱上皮は非常にデリケートで脆いため、物理的な接触やホルモン環境の変化によって容易に毛細血管が破綻し、接触出血やおりもの増加を引き起こします。健康診断や子宮頸がん検診で「びらんがあります」と指摘されても、それ単体で治療が必要になるケースはごく稀です。
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